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食べ物で、カゼ対策
たかがカゼ、されどカゼ。若いあいだはそれほど大事にいたらずふつうは一週間ほどで治りますが、カゼは万病のもととも昔からいわれています。油断は禁物です。
■ビタミンAで粘膜の乾燥を防ぐ
カゼはウイルスの感染によっておこります。ウイルスはのどや鼻から侵入しますが、これらの粘膜が乾燥していると侵入しやすくなります。
ビタミンAには粘膜を保護し、ウイルスの感染から守る働きがあります。
粘膜の乾燥を防いでカゼを予防するには、カゼのシーズンには、とくにAをたっぷりとるように心がけましょう。
ビタミンAはレバーや卵、ウナギなどに多く含まれています。体内でAになるカロチンを含むホウレン草、春菊、小松菜、ニラ、ブロッコリー、ニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜も効果的です。
■ビタミンCもたっぷりと
ビタミンCもカゼ予防にはよいといわれています。かぜひきが心配なときには、Cが不足しないよう十分すぎるくらいとっておきましょう。
Cは野菜のほか果物ではミカン、キンカンなどのかんきつ類やキウイフルーツなどに多く含まれています。
抵抗力、免疫力を高めてカゼにかかりにくくするには、たんぱく質をしっかりとることも大切です。レバニラ炒め、ニラの卵とじなどはビタミンA、C、たんぱく質が同時にとれるのでカゼ予防におすすめです。
■カゼをひいてしまったら
カゼをひいたかなと感じたら早めに対応を。
初期のうちに体を温めるものを食べて、すぐに寝てしまうのが一番です。
くず湯(くず粉を水どきして砂糖を加えかき混ぜながらとろりと加熱する。ワインやミカンの搾り汁を加えても)、レモネード(レモン汁とはちみつを合わせて熱湯をそそぐ)などは簡単に作れて体を温めます。
お酒の飲める人は卵酒(卵黄1個と清酒1カップをよく合わせ、とろりとなるまで加熱する。甘味は好みで)、ウイスキーや梅酒のお湯割り、などもよいものです。また、ショウガには発汗作用があるので搾り汁を甘酒や、はちみつを熱湯でとかした中に入れて飲んでも体が温まります。
熱が出たときは食欲もなくなりがちですが、発熱は体力を消耗しますので、消化がよく食べやすいものを工夫してできるだけ食べることが回復を早めるのに大切です。
1964年より食品研究家、河野友美が主催する「河野食品研究所」に勤務。
原稿執筆、講演活動を行う。
1999年よりフリーの食品研究家として活躍中。