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おもためコラム

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秋の花セラピー

萩(はぎ)写真
萩(はぎ)
薄(すすき)写真
薄(すすき)
桔梗(ききょう)写真
桔梗(ききょう)
撫子(なでしこ)写真
撫子(なでしこ)
葛(くず)写真
葛(くず)
藤袴(ふじばかま)写真
藤袴(ふじばかま)
女郎花(おみなえし)写真
女郎花(おみなえし)
暑い夏が過ぎ秋の到来。冷たい風が頬にあたると、「ああ!あの暑さが恋しい…」など、なつかしく思ったりしませんか。
私の今年の夏といえば、夏バテ解消のひとつとして、都会のオアシスといえる日比谷公園に何回か足を運びました。緑に包まれ、蝉の鳴き声を耳にしながら、ぼんやりしていると、とても心地よい気分になれました。
これは多分、森の樹自身が細菌や虫などから自分を守るために出している揮発生物質(主にテルペン)が、私たちの体に良い影響をあたえてくれているのでは…と感じました。
朝起きて「今日は気分がブルー」「チョット頭が重いかな」と感じたときは、30分くらい森林の中を散歩することで症状が軽くなるともいわれています。

さて秋といえば、空気が乾燥し、肺が弱りやすい季節です。
ちょっと油断をすると風邪をひいてしまいます。予防のためにも「気」のめぐりをよくし、免疫力を高め、病気にかかりにくい体にすることが大切です。できるだけ早起きして、きれいな空気を胸いっぱい吸うようこころがけてみましょう。適度に運動することも「気」のめぐりをスムーズにして「肺」を補強します。
時は、行楽の季節です。時間に余裕ができたら、野山に出かけるのもおすすめです。鳥のさえずりを聞き、おいしい空気を胸いっぱい吸うことにより、心が安らぎ、元気がでてきますよ。
また、野山を彩る秋の草花には、こころを動かされる風情があります。
万葉集の山上憶良の歌に

秋の野に 咲きたる花を 指折り
かき数ふれば 七種の花
萩が花 尾花 葛花 なでしこの花
女郎花 また藤袴 あさがおの花
と秋の七草を詠ったものがあります。

春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)が食用であるのに対し、秋の七草のほうは、もっぱら観賞の対象です。 この秋の七草を花セラピー的に観察してみましょう。

女郎花(おみなえし)
花言葉「のびやかな美」
黄色のあわ粒のような小さな花が咲きます。食欲の秋だというのに胃に不快感があり、元気がない人に。黄色の鮮明な花色が、食欲増進の手助けになるでしょう。

藤袴(ふじばかま)
花言葉「知恵」
乾燥させるとよい香りがします。藤色の花と香りには、「心」をおちつかせ、頭痛を和らげる効果が期待できます。

葛(くず)
花言葉「癒し」
根を日干しにしたものを葛根といい、古くから解熱などの薬用としてつかわれました。疲れやストレスがたまると、耳鳴りを起こしやすい人。くずの花を2〜3本生けてリラックスしてみては。

撫子(なでしこ)
花言葉「つつましい」
なでしことは、思わず撫でたくなる子という意味で、愛らしい花の様子をあらわしています。疲れた体にホッとする安心感を与えてくれます。

萩(はぎ)
花言葉「あなたを見つめる」
「肝」(感情を司る)の流れをスムーズにし、イライラや怒りっぽい気持ちを鎮静するのに効果的。観賞以外に枝はカゴなどの細工に、葉は茶の代用に、根は乾燥させて、のぼせなどの薬用につかわれました。

尾花(すすき)
花言葉「勢い」
秋の雰囲気を出す花材としては欠かせない存在。
すすきが秋風に吹かれてそよぐ姿は、精神的緊張を和らげ、自律神経を調整し、血液の流れをよくしてくれます。

桔梗(ききょう)
花言葉「奥行きがある」
山上憶良の歌の中の「あさがお」が「ききょう」であるというのが現代の定説です。「ききょう」といえば、明智光秀の家紋に使われました。
呼吸器系、特に気管支炎、ぜんそくなどの発作の鎮静に効果的です。

さてここで秋の七草の他に、季節の移り変わりを色の変化で表現してくれる紅葉についてご紹介しましょう。
黄や赤に色づく紅葉は、冬の到来前のひとつの楽しみですね。
澄みきった青空を背景とした鮮やかな色彩のコントラストは、体のどこかに残っていた夏の疲れや胸の隅にたまっている不満を一気に吹き飛ばしてくれます。
モミジは、植物学的にカエデ類の中で紅葉の美しいものを呼ぶそうです。きれいに色づくには
 ① 空気がきれいなこと
 ② 昼夜の温度差が大きいこと
 ③ 大気が乾燥して地中の水分が少ないこと
などが必要とのことです。

自然の厳しさの中で、美しく紅葉していく樹木は、「陽」の「気」(元気になるパワー)で満ち、これから迎える冬の寒さに備えるためのものともいえます。

片桐義子(かたぎりよしこ)プロフィール
花療法研究家。
1944年長野県生まれ。
日本女子経済短期大学(現嘉悦大学短期大学部)卒業。東洋医学に関心を持ち学ぶうち、植物の「気」、特に花の「気」に注目し、花療法の研究を始める。
著書に「花療法」、「フラワーセラピー花療法」などがある。
最近の著書「片桐義子の花日記」。
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