おもしろくて、ためになるコラムをお届けします。
しあわせは作り出すのも…
私は友人が遊びに来る日は飛びっきり綺麗な花を買います。
花は私を幸せにしてくれます。季節によって選ぶのもが変わりますが、私の一番好きな色や種類の花を買います。
今日は食堂に淡いサーモンピンクのアンティークな大きなバラを選びました。
居間にはダークブラウンの家具の色に合わせて、臙脂色のカラーと臙脂色の鶏頭草とローズピンクのバラを組み合わせて飾りました。「美しい部屋になった」とまずは自分が嬉しさ一杯になります。花は視覚でアクセントになるばかりでなく香りが部屋一杯に広がり優雅な気分にしてくれます。生きた花のもたらす癒しのパワーは素晴らしい効果があると思うのです。友人も綺麗なお花で幸せになると信じています…。
冬になるとよくお野菜のポタージュを作ります。
家にある身近な野菜、ジャガイモ、にんじん。玉葱、キャベツ、ブロッコリーなどとお肉の塊を暇な時間にコトコトなべに掛けておきます。するとスタッフのお昼に熱々のポタージュが一品加わり心も身体も温まり、美味しい食べ物が幸せにしてくれます。
色彩の仕事に携わり私は年々この仕事が楽しくなりました。
色はどの色と組み合わせるかでイメージが変わります。
新鮮な組み合わせを見つけた時、自分がまず感動してしまいます。「綺麗!!新鮮!!素敵!!」と子供のようにワクワクします。
また町の中で綺麗なパッケージや商品に出会った時にも感激します。
とにかく綺麗なものが好きなのです。だから自分の服も色を楽しんでいます。
トレンドの講演をする日は来年流行する色を上半身に身につけます。
日頃は色がアクセントになる装いを心掛けて、日替わりで毎日カラフルです。
しかしシックな色のグレーやベージュなどを着て落ち着きの演出をする時もあります。色の変化が私の気分を盛り立ててくれて心地よく幸せです。
カラーコーディネーターの仕事は配色の選定、カラーパレットの作成、トレンドカラーの予測などを行う色のスペシャリストです。
ファッションの世界のスタイリストさんとの違いは雑誌や広告の中でその編集のテーマにあった商品を探し出して、メーカーやショップから借り出して、モデルに着せ付けを行い、スタイリングを完成させるお仕事がスタイリストさん。
カラーの仕事は色彩イメージを的確に表現してカスタマー(お客さま)を満足させる事なのです。
組み合わせを お勉強していただきますと「配色イメージ」は次のようになります。
色彩の色相と明度、彩度で表わすと解りやすく言葉で表現します。
(彩度とは色の鮮やかさや濁りの度合い、明度とは色の明るさ、暗さの度合いの意味です。)
穏やか | 低彩度、中明度で暖色が中心、配色のコントラストが小さい |
---|---|
爽やか | 高〜中彩度が中心、白や寒色系の色づかいが主体 |
柔らか | 低彩度、高明度で暖色が中心、配色のコントラストが小さい |
自然な | 低〜中彩度でベージュ、ブラウン、グリーンの組み合わせ |
華やか | 暖色系を中心に、色相、彩度のコントラストをつける |
伝統的な | 低〜中彩度、低明度の暖色系でグレイッシュな配色 |
都会的な | 中明度、低彩度の青系の色を中心に、中明度の灰色を配色 |
また日本人の色彩感覚を理解する事も重要なことです。 日本の色彩は中間色の文化と言われています。それは日本の染色の染料が植物から抽出した植物染料であった為、染色は染めの濃淡や混色による色で独特の色合いが生まれました。 天皇の色とされる黄櫨染(こうろぜん)は太陽を象徴する色と言われ、櫨(はぜ)と蘇芳(すおう)の重染めで赤褐色です。 見る方向によりオレンジと赤に見える味わい深い色なのです。 つまり天皇は太陽の色、に包まれていた事になります。どんなにエネルギーの高まる色であるか想像できると思いますが、日本では皇室だけに許された禁色(きんじき)でした。
皇太子の袴の色とされた黄丹(おうに)は黄色の染料の梔子(くちなし)と赤の紅花で染めたオレンジ色に見える混色の2次色です。2次色とは見る方向により色が2色に見える意味ですからオレンジ色と黄土色に見えるのです。世界の国王、皇帝の色が原色の赤、青、黄色、緑、紫などですから中間色が最高権威の象徴とされているのは珍しい事です。
現在、禁色は無くなり、色を自由に選べます。 しかし 実際は多くの人が色を選ぶことに自信がないように見えるのです。 配色の良いか悪いかの基準が自分の中にないのではないでしょうか? 色は選ぶことを繰り返していくうちに結果を感じるようになります。ゆっくり眺めると私たちの周りは、案外素敵なもので一杯です。それに気付くと心が幸せになります。 私の母がよく私を励ましてくれた言葉ですか…「幸せは自分で作るもの」 自分の感性を育ててあげましょう。美しい色は確実に心を癒してくれます。
大手企業、ファッション業界、ブライダル業界の研修会講師を歴任。
現在、NHK文化センター数箇所および毎日文化センターの専任講師。
NHKテレビ関西スクエアー等、家庭向け番組にレギュラー出演。